Radleys 有機合成装置

汎用の合成ツール BenchTop シリーズ

汎用の合成ツール BenchTop シリーズ

加熱反応用ヒーティングブロック
Heat-On

Heat-On_KV

Heat-Onは、加熱反応をより安全に、きれいに、効率的に行うためのヒーティングブロックです。

従来のオイルバスやマントルヒーターの代替として使用することで、ルーティンの合成ワークを改善していただけます。

  • 面倒な管理や清掃作業を行うことなく、火災や火傷のリスクを防いで、より経済的に日々の合成反応を行うことが可能
  • バイアル用、試験管用、フラスコ用があり、10mL~5Lの範囲で様々な反応容器をフレキシブルに使用可能
  • Φ145mmの円形天板を持つホットプレートスターラーに簡単に搭載可能(オプションアダプターでΦ135mm天板にも対応)
  • 260℃までの加熱反応に対応

※ ホットプレートスターラーは別売となります。

なぜヒーティングブロック?

一般的に加熱合成反応では、オイルバスやマントルヒーターが使われてきました。

では、Heat-Onのようなヒーティングブロックを使用するメリットはどこにあるのでしょうか?

オイルバスは面倒で危険でコストがかかります
  • heating_block_vs_oil_bath
    オイルは、繰り返しの加熱や化学物質、水、ほこりなどの混入により変色し、劣化します。
  • 劣化するとオイルの引火点が著しく低下し、煙や臭いを生じます。
  • 安全な作業環境を維持するには、定期的にオイルを交換する必要があります。
  • 廃油の処分には、環境に配慮した安全な方法で行われる必要があり、それには費用がかかります。

Heat-Onは、オイルを使用しないので日常的なメンテナンスが不要で、廃油の問題もありません。

マントルヒーターは高価で、こぼれると装置が難しいという問題がございます。また加熱時にホットスポットが生じることがあり、均一に反応させるのが困難です。

Heat-Onの主な特徴と利点

Radleys社 Heat-Onのヒーティングブロックとしての特徴と利点をご紹介します。

ユニークなデザインで
フラスコ破損を軽減
E19-Safer-01

Heat-Onブロックは、サイズにより異なるデザインをもち、フラスコのひび割れを防ぐことができます。また、持ち運び用リフティングハンドルが取り付けられるホールがあるため、フラスコを入れたまま安全かつ確実に移動させることができます。

さらに、オプションのPTFEカバーは、高熱になったブロックへの不意の接触による火傷のリスクを低減します。

アルミニウムブロックで
均一な加熱を実現
E19-Heat-on-01

軽量なデザインで急速かつ均一な加熱が可能です。260℃まで使用可能です。バイアル、試験管、丸底フラスコに加えてナスフラスコ用もあります。異なるサイズの容器で同時に反応が可能なマルチウェルタイプもございます。

また、Heat-Onブロックは、2種類の表面コーティングを選択可能です。薬品耐性の高いフッ素樹脂コーティングと低コストな酸化被膜処理加工から選ぶことができます。

消費電力とコストを
節約
Save-Money

Heat-Onは、効率的な加熱が可能なため、少ない電力で実験を行うことが可能です。7時間の水の沸騰テストでは、他社のブロックと比べて30%の消費電力節約を達成することができました。

これは環境により優しく合成実験を行うことができることを意味します。

より早く
目的温度に到達
heating-01

加熱テストでは、Heat-Onを用いることにより、250 mLフラスコの水を11分以内に沸騰することができました。オイルバスや他社のブロックよりも早く沸騰します。

また、Heat-Onブロックは、サイズにより異なるデザインをもち、各種のサイズのフラスコをぴったりとフィットさせることができます。1000mLの水を用いた別のテストでは、他社よりも66%早く沸騰させることができました。

❶ 迅速な加熱

下表は、Heat-Onを使用して各容量の水が沸騰するまでに要した時間をまとめたものです。データは、Carousel Stirring Hotplateを使用し、最高動作温度にセットして得られた結果です。

※下表は参考値です。使用するスターラーの種類や周辺環境等により異なることにご注意ください。

フラスコサイズ(mL) 水量(mL) ホットプレート 設定温度(℃) 沸騰するまでの時間
10 6 310 4分 48秒
25 15 310 5分 54秒
50 30 310 7分 12秒
100 60 310 7分 54秒
150 100 310 10分 36秒
250 150 310 9分 48秒
500 300 310 13分 30秒
1000 600 310 17分 06秒
2000 1200 310 26分 18秒
3000 2000 310 39分 36秒
5000 3000 310 51分 00秒

❷ 2種類の表面コーティング

Heat-Onは、2種類の表面仕上げからブロックを選択できます。

Heat-On フッ素樹脂コーティングブロック
fluoropolymer_coating_block

フッ素樹脂コーティングは優れた耐薬品耐性をもちます。

  • より多くの溶媒に対する耐性
  • 製品寿命の延長
  • 簡単に洗浄
  • 加熱時間の短縮
Heat-On 酸化被膜処理加工ブロック
anodisided_blocks

ご要望に応じて、低コストの酸化皮膜処理加工したHeat-Onもご用意。

  • 一般的な溶媒に対する耐性
  • 酸化被膜は衝撃にも強く、洗浄も簡単
  • 低コスト

❸ 様々なサイズの反応容器に対応

Heat-Onは、バイアル、試験管、フラスコなど、1mLから5Lまでの様々な反応容器に対応するブロックをラインアップしています。それだけでなく、マルチウェルブロックやナス型フラスコ対応ブロックもあり、多くの用途に便利に対応できます。

Heat-On マルチウェルブロック
multiwell_blocks

マルチウェルホルダーは、1つ、または2つのインサートを配置できるようにデザインされています。

  • インサートの種類は、10mL、25mL、50mL、100mL、150mLがあります。
  • 2口、3口フラスコ用にサイドをカットしたインサートもあります。
  • φ16mm、Φ17mm、Φ20mm、Φ24mm、Φ28mm、1インチのチューブ又はバイアルが複数搭載可能なインサートがあります。
  • マルチウェルホルダーは、Φ145mmの天板にフィットします(オプションでΦ135mm天板用のアダプターもご用意しています)。
  • ホルダー、およびインサートはフッ素樹脂、もしくは酸化被膜加工で提供可能です。
Heat-On ナスフラスコ用ブロック
florentine_flask_block

ナスフラスコ用のHeat-Onもご用意しています。

  • フラスコ容量:200mL、300mL、500mL、1L、2L
  • フッ素樹脂コーティングと酸化被膜処理加工を選択可能

❹ Heat-On PTFEカバー

Heat-Onブロックの上からかぶせるだけで簡単に使用できるPTFE製のカバーです。加熱表面への接触リスクを低減し、エネルギー消費を少なく抑えることができます。

PTFEカバーをかぶせても、温度プローブやリフティングハンドルは、同じように使用可能です。すべてのサイズのHeat-Onブロックに対応するカバーを取り揃えています。

安全性の向上
PTFE_cover_1

PTFE製の安全カバーは、Heat-Onブロックの表面の間に断熱バリアを提供し、ユーザーの手を万が一の火傷から護ります。

社内テストでは、PTFEカバーの外面とHeat-Onブロックの温度差が100℃にもなり、表面温度が最大50%低下することが示されています。

また、加熱表面への万が一の溶媒のこぼれを防ぐこともできます。

効率の向上
PTFE_cover_2

PTFEカバーによる効率的な断熱により、長時間一定の温度を維持するのに必要な消費エネルギー(電力)を最大15%も抑制することができます。

また、PTFEは薬品耐性が高いため、260℃まで加熱しても変形が起こりません。

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