大型マニホールド式 真空凍結乾燥機

FreezeMobile シリーズ

FreezeMobile シリーズ

多くのフラスコを同時処理
大型のマニホールド式 真空凍結乾燥機

FM_operation

FreezeMobile シリーズは、最大32本のフラスコを同時に凍結乾燥することができるマニホールド式(多岐式)の真空凍結乾燥機です。

ペプチド医薬品の開発、受託ペプチド合成、あるいは植物組織や微生物の真空凍結乾燥で、多くのフラスコやアンプルの凍結乾燥を行いたいラボにおススメです。

マルチユーザーが同時に異なるサンプルの凍結乾燥を行うコアラボラトリー(共通機器室)での用途にも適します。

床置き式ですがキャスターで容易に移動させることができるので、ラボのご都合に合わせて設置場所を柔軟に変えていただけます。

FreezeMobile シリーズの特徴と利点

  • 最大32個のポートを持つ大型マニホールドを取付可能
  • 最低冷却温度-85℃の大型コンデンサー(25L)
  • 迅速なデフロストにより繰り返し使用時のタイムロスを短縮
  • 真空コントロール(圧力制御)により一次乾燥時間を最小限に短縮
  • 水系溶媒だけでなく有機溶媒まで対応可能
  • 装置底面のキャスターでラボ内をいつでも容易に移動可能(真空ポンプも外さずに一緒に移動できます)

システムの選択

FreezeMobile シリーズのシステムは、下記の❶~❹の手順で選択することができます。

最適なシステムがわからない場合は弊社までお気軽にお問い合わせください。想定されている用途をお聞きした上で適した構成をご提案いたします。

❶ 本体の選択

使用する溶媒の種類により、3つのモデルから選択できます。

モデル 100016844 100014948 / 100014686 100015011
コンデンサー容量 25 L 25 L 25 L
コンデンサー温度(50/60 Hz) -82℃ / -85℃ -82℃ / -85℃ -82℃ / -85℃
コンデンサータイプ スムースウォール
(SUS 316L)
スムースウォール
(SUS 316L)
スムースウォール
(SUS 316L)
コンデンサードア アクリル ガラス ガラス
真空ポンプ 油回転ポンプ 油回転ポンプ スクロールポンプ
フィルタートラップ なし なし / あり あり
対応溶媒 水系溶媒 水系溶媒と少量の有機溶媒 水系溶媒と有機溶媒

※ 上記以外に本体幅が小さいナロー仕様のご選択も可能です。

ガラスコンデンサードアは有機溶媒(アセトニトリル、TFA、エタノール等)を含む溶媒に対して耐性をもちます。

フィルタートラップはコンデンサーと真空ポンプの間に設置され、ポンプへの溶媒蒸気の流入を防いでポンプを劣化から保護します。

さらに、大量の有機溶媒を処理する場合は、真空ポンプを油回転ポンプ(オイルポンプ)ではなく、オイル交換不要なスクロールポンプ(ドライポンプ)にすることで、お客様ご自身による日常メンテナンスの大幅に頻度を減らすことができます。

Oilpump

油回転ポンプ

Scrollpump

スクロールポンプ

❷ マニホールドの選択

FM_manifold

サンプル容器を保持するためのマニホールドは主に7種類から選択可能です。
それぞれ段数、ポート数とポート間隔、ポートの配置(片面のみ、あるいは両面)が異なります。

マニホールドはお客様ご自身で付け替えが可能です。

段数 ポート数 間隔 全幅長
前面 背面 合計
1段 6x1 段 6x1 段 12 約10 cm 約58.4 cm
2段 6x2 段 12 約10 cm 約58.4 cm
1段 8x1 段 8x1 段 16 約10 cm 約78.7 cm
2段 8x2 段 16 約10 cm 約78.7 cm
2段 10x2 段 20 約5 cm 約58.4 cm
2段 6x2 段 6x2 段 24 約10 cm 約58.4 cm
2段 8x2 段 8x2 段 32 約10 cm 約78.7 cm

特注のマニホールドの作成も承ります。詳細はお問い合わせください。

❸ オプションの選択

FreezeMobile シリーズではいくつかのオプションをご用意しています。

サポートトレイ
FM_support_tray

万が一のフラスコの落下の際に受け止めるためのトレイです。

結露水が装置に直接滴下するのを避けることもできます。

マルチテナー
Multi-tainer

バイアルやプレートをセットできるステンレスコンテナーです。

マニホールドのバルブに真空チューブを介して接続して使用します。

ストッパリングテナー
Stoppering Tainer

マニュアルでの打栓機能を持つバイアル用のコンテナーです。

マニホールドのバルブに真空チューブを介して接続して使用します。

フィルタートラップアッセンブリー
filter trap

ポンプを保護するためにコンデンサーと真空ポンプの間に取り付けます。

フィルターカートリッジと一緒に使用します。カートリッジは酸用(Soda Sorb)、有機溶媒用(Activated Charcoal)、水分用(Molecular Sieve)の3種類があります。

❹ アクセサリーの選択

フラスコ、アダプターなどのアクセサリーを選択します。

Flask

広口フラスコ

adapter

アダプター

ampoule adapter

アンプル用アダプター

FreezeMobile シリーズ アクセサリーの詳細を見る

装置の制御

FreezeMobileは内蔵のマイクロプロフェッサーでコントロールされます。操作は装置全面のファンクションボタン式パネルで実行します。

FM_sentry_2.0

<主な機能>

  • 1ボタンで運転を開始(コンデンサーとポンプを自動始動)
  • 圧力コントロール設定
  • マニュアルデフロスト機能
  • 真空度、コンデンサー温度、外気温のモニタリングと表示
  • 真空およびコンデンサー温度の状態を示すインジケーター

Tips:フラスコを用いた凍結乾燥のコツ

フラスコのための多岐管式の凍結乾燥機には予備凍結を行う機能がありません。したがって予備凍結は実験者自身でマニュアルで行う必要があります。

具体的にはサンプルを入れたフラスコをドライアイス-メタノール等に浸けることにより行うことがほとんどです。フラスコの中に試験管を入れて凍結乾燥を行う場合は、サンプルの入った試験管をフリーザーの中に入れて凍らせることもあるかもしれません。

この予備凍結をどのように行うかが、その後の真空凍結乾燥の成否を大きく左右します。短い時間で、できる限り含水量の少ないフワフワな凍結乾燥サンプルを得るには、フラスコの中でサンプルをシェル状に凍らせることが大切です。すなわち、凍結層の厚みを薄く、かつ表面積を大きくすることが成功する凍結乾燥のコツです。

nonshell_vs_shell_freezing

もちろん、予備凍結前にアセトニトリルやメタノール等の有機溶媒をエバポレーターで事前にとばしておくことは言うまでもありません。

製品仕様

freezemobile

FreezeMobile 25EL

  Freeze Mobile 25EL
コンデンサータイプ スムースウォール(SUS 316L)
コンデンサー到達温度(50Hz / 60Hz) -82℃ / -85℃
コンデンサー最大容量 25 L
コンデンサー表面積 3,264 cm2
除湿量(24時間) 12 L
除湿量(1時間) 0.5 L/hour
コンデンサー冷却速度(+20℃ → -45℃) 25 min 以内
コンプレッサー数 2
コンプレッサー出力(馬力) 0.746 kW (1.0 hp)、0.747 kW (1.0 hp)
冷媒種類(Gas 1 / Gas 2) R407C / R508B
冷媒充填量(Gas 1 / Gas 2) 0.792 kg / 0.246 kg
デフロストタイプ ホットガス
平均デフロスト時間 60 min 以内
減圧速度(大気圧 → 100 mbar) 20 min 以内
システム最低到達真空度 15 mTorr 以下
本体サイズ(多岐管含まず) 幅890 x 奥行740 x 高さ940 mm
本体重量 127 ~ 225 kg(オプションによる)
必要電源 208-240VAC、単相、20 A、50/60 Hz
真空ポンプ 油回転ポンプ / スクロールポンプ

FreezeMobileのスペックシートをダウンロード