24チャンネル パラレルペプチド合成装置

Symphony X

Symphony X

ミドルスループットの自動ペプチド合成装置

プロセス開発における合成条件検討や探索段階でのスケールアップ合成に

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Symphony Xは、完全独立24チャンネルのフレキシブルなパラレルペプチド合成機です。2012年の販売開始以来、プロセス開発における合成条件の最適化や、動物実験のためのスケールアップ合成(バルクアップ合成)を行う世界中の製薬会社様のゴールドスタンダード機として活躍を続けています。あるいは探索段階におけるリード最適化研究にも適します。

24個の反応ベッセルを備え、1台で異なる12個のプログラムを同時にラン可能です。独自のPurePep Pathway技術、窒素ガス雰囲気下での反応、フレキシブルなレジン/縮合剤選択、リアルタイムUVモニタリング機能、SafePep機能など、ペプチド医薬品の開発を長年支えてきたGyros Protein Technologies社ならではの優れたテクノロジーが詰め込まれています。高い合成純度とスループットの両立により、ペプチド合成研究者に理想的な環境を提供します。

Symphony X:特徴と利点

  • 最大24の反応ベッセルによる自動パラレル合成
  • 1台で異なる12個の合成プログラムをパラレル制御
  • 副生成物を抑えて高純度なペプチドをもたらすUltra PurePep Pathway(+窒素ガス雰囲気下反応)
  • 脱保護反応を最適化するリアルタイムUVモニタリング
  • IR加熱+ボルテックス攪拌による高効率合成
  • 装置の予期しない停止時にも安心なSafepep機能
  • 実験者の作業量を減らす便利な自動切り出し機能
  • バリデーション対応(IQ/OQおよび21 CFR Part 11)

搭載されている先進テクノロジー

❶ 効率的な合成条件検討を可能にする12ペアの反応ポジション

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Symphony Xには、12ペア24個の反応ベッセルが搭載されています。

アミノ酸のアクチベーションを In Situで行う際は24個の反応ポジション、プレアクチベーションの際は12個の反応ポジション(反応ベッセルの片方をアクチベーションに使用)を並行して同時に合成できます。

同時にラン可能な合成プログラム数は12種類、すなわち12種類の異なる合成条件をパラレルに検討できます。

合成が完了したポジションから順にベッセルを取り外して、次の反応を仕込むことが可能なので、多くの合成反応を効率よく実施することができます。

スケールアップ合成にも

24本(あるいは12本)のベッセルは、それぞれ別のペプチドを合成するだけでなく、同じ条件で同じペプチドを合成することもできます。反応ベッセルは、10mLの標準タイプに加えて、40mL(ガラス容器)あるいは45mL(ディスポ―サブル容器)を装着することが可能です。

この高いフレキシビリティを活かして、スケールアップ合成にご使用いただくことができます。

❷ 高純度な合成を実現するUltra PurePep Pathway

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試薬や溶媒の反応ベッセルへの供給は、それぞれ完全に独立した流路で行われるように設計されています。

試薬間のクロスコンタミネーションを防ぎ、副反応を効率的に防ぐことができます。それに加えて、反応ベッセルは窒素ガス雰囲気化で反応が可能であり、システム全体で副生成物を抑えて高純度な合成を可能にしています。

流路バルブは堅牢性に優れ、セルフメンテナンスが可能で、修理によるダウンタイム(装置を使えない時間)を減少させます。

また、デッドボリュームが少なく試薬の使用量を抑制できます。

❸ 脱保護反応を最適化するリアルタイムUVモニタリング機能

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脱保護反応中に10秒に1回モニタリングして、脱保護の反応時間と反応回数を自動的にコントロールします。

難合成ペプチド合成時の試行錯誤の回数を少なくすることができます。また、難合成ポイントを知ることで反応最適化を迅速に行うことをヘルプします。

無駄な脱保護反応を行わないので、溶媒の消費量を最小限にすることができ、トータルの合成コストの削減にも役立ちます。

❹ 反応を効率化するIR加熱&ボルテックス撹拌機能

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24個の反応ポジションの1つ(RV1)は、IR加熱とボルテックス撹拌による反応を行うことができます。

高温下での反応により、室温反応と比べて合成効率を格段に向上させることに加えて、ホットスポットを防いでベッセル内で均一に反応させることができます。

プロセス開発における合成条件検討においては、加熱条件下と室温条件下における反応を比較することを可能にします。

❺ 装置の予期しない停止時にも安心なSafepep機能

ペプチド合成は終夜運転を行うことも多い長い工程です。そんなとき、最も心配なのは装置の予期しない作動停止です。

Symphony Xは、装置が不意に一時停止してしまった時には、溶媒によるレジンの洗浄が自動的に行われます。一時停止の間に望まない反応が進行してしまうのを防ぎ、副反応と副生成物を抑制できます。

予想外の装置停止が起きても目的のペプチドの合成への影響がミニマムのため、安心して自動無人運転を行っていただけます。

❻ コスト削減に有効なシングルショットによるアミノ酸デリバリー

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特殊アミノ酸を含む配列の合成は試薬そのものが高価なためコストが心配です。

Symphony Xでは、通常の試薬ボトルによるアミノ酸供給に加えて、必要量のみを投入するシングルショットデリバリーが可能です。

自動デリバリーと比べて手間はかかりますが、高価なアミノ酸試薬の使用量を最小限にすることで合成コストの抑制を図ることができます。

柔軟性と機能性に優れたソフトウェア

Symphony Xは、わかりやすいソフトウェアで作成したメソッドと配列を組み合わせることで合成を開始することができるため、ストレスなくご使用いただけます。

  • symphony_x_software
    12チャンネルそれぞれの反応プロトコルを独立して設定可能              
  • スタートからストップまで自由自在にコントロール可能
  • すべての反応の進行状況をモニタリングしてソフトウェア上に表示
  • リカバリー機能により、中断が発生した場合でも反応の安全性を確保
  • 便利なEメール通知機能
  • 診断機能とレポート機能を搭載

バリデーションサービス

Symphony Xは、cGMP環境下で装置を運用するお客様のために、フルバリデーションサービスをご提供しています。

IQ/OQ サービス

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Gyros Proetin Technologies社の認定を受けたサービスエンジニアが、据付時適格性確認(IQ)と運転時適格性確認(OQ)を実施し、報告書を提出します。

IQサービスでは、システムコンポーネントと設置環境の確認、装置、コンピューター、ソフトウェアの適切なインストールの確認を行い報告書に記録します。

OQサービスでは、システムがGyros Protein Technologies社が定める仕様に従って動作すること、標準合成プログラムが正常に動作することを確認し、サービスシステムテストを行った上で報告書に記録します。

IQ/OQサービスの詳細はこちら

21 CFR Part 11

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PurePep Sonata+ソフトウェアは、標準で21 CFR Part 11に対応しています。

ユーザー権限管理、パスワード保護、電子署名、監査証跡、データインテグリティなどが可能で、米国FDAなどの当局が求める基準にハイレベルで対応します。

タイムスタンプ付の見やすいレポートによりトレーサビリティを最大化します。

データのロスを防ぐためにバックアップと復元ポイントの保存が自動的に行われます。

21 CFR Part 11 対応の詳細はこちら

製品仕様

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Symphony X
反応容器数(RV)  24 本
合成スケール 5 μmol – 1.0 mmol / 反応容器(最大 24 mmol)
反応容器サイズ

プラスチック容器: 10, 45 mL

ホウケイ酸ガラス容器: 10, 25, 40 mL

溶媒ボトル数  8 本
アミノ酸ボトル数

最大40ポジション(28+12 ポジション)

アミノ酸ボトル(10, 120 or 400 mL)あるいは シングルショットバイアル

コレクトバイアル 12 ポジション
送液技術 光センサーによる固定ループ測定
送液方法 N2ガス圧送 
攪拌方式  調整可能な窒素バブリング、および/またはボルテックス混合(RV1のみ)
加熱方式 赤外線加熱(RV1のみ)
UVモニタリング RV1のみ
クリベージ機能  プログラム可能、オンライン、自動
ソフトウェア 独自の Symphony X コントロール ソフトウェア
21 CFR Par11 対応 標準
電源 100-230V、15A、50/60Hz
サイズ 幅114 x 奥行74 x 高さ168 cm 
重量 250 kg