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アプリケーション例

細胞の移動と浸潤 : ケモタキシス・アッセイ(化学走化性アッセイ)

定量再現性の高いデータ:

ボイデンチャンバー方式(トランスウェル方式)の移動浸潤アッセイが初めての方でも、定量再現性の高いデータを取得していただけます。

カイネティックデータ:

すべてのタイムポイントを記録したカイネティックデータを得られるため、移動浸潤のスピードを知ることができます。

作業時間と労力を削減:

ラベル不要、固定不要、顕微鏡観察と目視の細胞カウントは不要です。大幅に手間を省いて作業時間の短縮していただけます。

細胞を他の実験に使用可能:

細胞を染色しないので、測定後の細胞を他の実験(遺伝子発現解など)にそのまま使用していただけます。

ここに炎症とがんの転移を例とした、 xCELLigence® DP システムと移動浸潤アッセイ用プレート(CIM-Plate)の使い方をご紹介します。測定原理の詳細はこちらをご覧ください:

Application Highlight:マクロファージのケモタキシスのラベルフリー・リアルタイム測定

組織損傷・炎症・感染時おけるマクロファージの局部へのリクルートメントは、効果的に免疫反応を起こすうえで非常に大切です。
化学走化性をみるアッセイは、炎症性疾患に重要なケモカインの役割を調べるのに欠かせないものとなっています。
Dr. Iqbalの研究室では、CIM-PlateをxCELLigence® DP システムで使用して、げっ歯類由来のマクロファージがどのようにケモカインに反応するかを定量的に示しました(PLoS ONE. 2013 Mar; 8(3): e58744) 。
Dr. Iqbalはその中で、xCELLigenceを使用することで、染色と細胞を数えるといった主観的になりがちな視覚に頼るステップを必要とするボイデンチャンバー法に比べて定量化を客観的に行えると述べています。

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図1. マクロファージの化学走化性をリアルタイムに測定

(A) げっ歯類マクロファージの化学走化性を、誘引物質であるCCL5の有無で比較してました。
細胞を入れていない陰性コントロール(青線)では、75分を超えても電気抵抗値は変わりません。
CCL5のない陰性コントロール(緑線)でも、ある程度の細胞は膜の微孔を通って移動していますが、CCL5が含まれている場合(赤線)は、多くの細胞が上部チャンバーの裏側に移動したことがわかります。

(B) 3条件それぞれにおけるメンブレン裏面の走査型電子顕微鏡像です。
大きな薄い灰色の円形は金電極センサーです。
孔径約8㎜の微孔は膜のみの部分とセンサーの部分の両方にあり、膜と微孔よりも暗く映っています。
細胞がなければセンサー電極と微孔の識別は簡単に可能です(右列)。
電気抵抗値の結果(A)に見られるように、この顕微鏡での結果もCCL5の影響により細胞が上部チャンバーの裏側に移動したことが見て取れます。

(C) 走査型顕微鏡での結果(センサー電極に付着していた細胞数)をカウントしました。
電気抵抗値の結果(A)とよく一致した結果となっています。

引用:PLoS One. 2013 Mar; 8(3): e58744.

 Application Highlight:乳がん細胞の移動のラベルフリー・リアルタイム測定

転移性乳がん患者の予後は著しく悪く、転移の効果的な診断と最適な治療方針の決定が重要です。
Dr. Boggsのグループでは、アセチル化されたα-チューブリンが転移の度合いに高く相関することを見出しました(Cancer Res. 2015; 75(1):203-15)。
xCELLigence® DP システムとCIM-Plateを使用して、α-チューブブリンがアセチル化されない変異導入細胞(K40R)では、野生株とくらべて細胞の移動効率が落ちることを示しました(図 2A)。
さらに、測定後に細胞を染色してカウントしたところ、電気抵抗値とのデータに齟齬がないことが確認されました(図2B)。

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図2. α-tubulinのアセチル化による乳がん細胞の化学走化性の亢進

 (A) xCELLigence® DP システムを使用してBT-549細胞の移動のデータをリアルタイムに取得して分析しました。
細胞を無血清培地に懸濁して上部チャンバーに播種し、5%FBS含有培地を下部チャンバーに入れて移動を24時間モニタリングしました。

  • α-tubulinコントロール:α-tubulinを安定的に発現させたBT-549細胞
  • K40R α-tubulin:アセチル化することのできない K40Rα-tubulinを発現させたBT-549細胞
  • Serum-free control:下部チャンバーに無血清培地を使用した陰性コントロール

(B) 24時間後に上部チャンバーの裏側に移動した細胞を固定したあと、染色して顕微鏡観察しました。
顕微鏡観察による移動した細胞数の違いは、リアルタイムに得られた電気抵抗値のデータと相関しました。

引用:Cancer Res. 2015; 75(1):203-15.

 

細胞レイヤーへの浸潤とスクラッチアッセイについては下記のリンクをご参照ください。

移動浸潤アッセイの論文リストはこちらからダウンロードしてください。
リアルタイム細胞アナライザー xCELLigence RTCA DP システム (dual-plate)
  • 3×16 wells

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がん細胞の移動・浸潤(トランスウェル・アッセイ)

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関連論文

1. α-Tubulin acetylation elevated in metastatic and basal-like breast cancer cells promotes microtentacle formation, adhesion, and invasive migration.
Boggs AE, Vitolo MI, Whipple RA, Charpentier MS, Goloubeva OG, Ioffe OB, Tuttle KC, Slovic J, Lu Y, Mills GB, Martin SS. Cancer Res. 2015 Jan 1;75(1):203-15.

2. Assessment of ovarian cancer spheroid attachment and invasion of mesothelial cells in real time.
Bilandzic M, Stenvers KL.  J Vis. Exp. 2014 May 20;(87).

3. Stress-induced CXCR4 promotes migration and invasion of ewing sarcoma.
Krook MA, Nicholls LA, Scannell CA, Chugh R, Thomas DG, Lawlor ER. Mol Cancer Res. 2014 Jun;12(6):953-64.

4. A real time chemotaxis assay unveils unique migratory profiles amongst different primary murine macrophages.
Iqbal AJ, Regan-Komito D, Christou I, White GE, McNeill E, Kenyon A, Taylor L, Kapellos TS, Fisher EA, Channon KM, Greaves DR.  PLoS One. 2013, 8(3), e58744.

5. c-Myb regulates matrix metalloproteinases 1/9, and cathepsin D: implications for matrix- dependent breast cancer cell invasion and metastasis.
Knopfová L, Beneš P, Pekarcíková L, Hermanová M, Masařík M, Pernicová Z, Souček K,Smarda J.  Molecular Cancer 2012 March 23, 11, 15.

6. MicroRNA-200c Represses Migration and Invasion of Breast Cancer Cells by Targeting Actin- Regulatory Proteins FHOD1 and PPM1Ferences.
Jurmeister S, Baumann M, Balwierz A, Keklikoglou I, Ward A, Uhlmann S, Zhang JD, Wiemann S, Sahin Ö.  Molecular and Cellular Biology 2012 February, 32(3), 633-651.

7. Comparative Analysis of Dynamic Cell Viability, Migration and Invasion Assessments by Novel Real-Time Technology and Classic Endpoint Assays.
Limame R, Wouters A, Pauwels B, Fransen E, Peeters M, Lardon F, De Wever O, Pauwels P.  PLoS One. 2012, 7(10), e46536.

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