細胞の移動と浸潤

トランスウェルアッセイやスクラッチアッセイの手間を減らして、
定量再現性の高いデータを取得しませんか?

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ケモタキシスアッセイ
(化学走化性アッセイ)
細胞層浸潤アッセイ
(Transmigrationアッセイ)
スクラッチアッセイ
(創傷治癒アッセイ)

がん転移の理解、あるいはがん転移を抑える薬剤の開発は、腫瘍学の発展と新たながん治療の開発において非常に大切です。
がん転移の一連の過程の中で、がん細胞の移動浸潤は欠かすことのできない極めて重要なプロセスです。
また、細胞の移動・浸潤は炎症や創傷治癒などにおいても大切な役割を果たします。
一方で、細胞の移動・浸潤を、in vitroで再現性よく定量的に測定する方法は少なく、なかなか納得のいく結果を得られませんでした。
例えば、スクラッチアッセイは、ウェル間で再現性高く「傷」をつけるのが困難でした。
また、顕微鏡観察に頼るため、主観的なデータにならざるを得ませんでした。
ボイデン・チャンバー(トランスウェル)を使った実験は、メンブレン裏面の細胞を染色してそれを数えるため、非常に手間がかかりました。
それだけでなく、実験者間あるいは同じ実験者でも異なる実験間で再現性を得るのが難しく、手技の習熟に時間がかかりました。
また、どちらの実験においても、ある特定のタイムポイントのデータしか得られないため、移動や浸潤のカイネティックスを把握するには限界がありました。

Agilent Technologies社では、ボイデンチャンバー(トランスウェル)に独自の電極センサー技術を組み合わせた xCELLigence DP システム用の移動浸潤アッセイプレート(CIM-Plate)を開発し、細胞の移動・浸潤のアッセイを簡単にすることに成功しました。
細胞の染色をせずに定量性のある移動・浸潤のカイネティックデータを手間をかけずにリアルタイムに得ることが可能です。

定量再現性の高いデータ:

ボイデンチャンバー方式(トランスウェル方式)の移動浸潤アッセイが初めての方でも、定量再現性の高いデータを取得していただけます。

カイネティックデータ:

すべてのタイムポイントを記録したカイネティックデータを得られるため、移動浸潤のスピードを知ることができます。

作業時間と労力を削減:

ラベル不要、固定不要、顕微鏡観察と目視の細胞カウントは不要です。大幅に手間を省いて作業時間を短縮していただけます。

細胞を他の実験に使用可能:

細胞を染色しないので、測定後の細胞を他の実験(遺伝子発現解など)にそのまま使用していただけます。

xCELLigence RTCA DPシステムによるトランスウェルアッセイの原理

専用の金電極センサープレート(CIM-Plate)の下部チャンバーに入れたケモアトラクタント(誘因因子)により上部チャンバーの細胞は8μmの細孔を通って、メンブレン裏面の電極センサーに吸着します。
その結果得られる電気抵抗値の増加は、細胞数との相関がしっかりと得られるものとなっています。
しかも、アッセイ開始数分から24時間超の終了時までの一連の時間のデータを同一ウェルから連続的に得ることができます。
測定タイムポイントの違いによるデータのバラつきや、目視での細胞カウントによるデータのバラつきを排除して、高い再現性でデータを取得していただけます。
CIM-Plateについては図1をご覧ください。

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図1. CIM-Plateの概要

(A) 分解時のCIM-Plateのパーツ

(B) CIM-Plateの断面図。1ウェルの上部チャンバーと下部チャンバーを拡大してイラスト化しております。
上部チャンバーの底面にはメンブレンが貼られています、メンブレンには、ポアサイズ8 μmの多くの微孔があり、細胞の移動が可能になっています。
電極センサーはそのメンブレンの裏側にあり、孔を通って移動し接着した細胞を検知します。
浸潤アッセイでは、上部チャンバーの膜にマトリックスでコーティング後に細胞を播種します。
移動のアッセイでは、マトリックスは使わずに直接細胞を播種します。

 

本アプリケーションが可能な製品

リアルタイム細胞アナライザー xCELLigence RTCA DP システム (dual-plate)

xCELLigence RTCA DP(3×16 wells)

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