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フロー合成システム

Flow モジュラーユニット

UNIQSIS Flow Modular

自由に組み合わせて使用できる
フローケミストリーのための各種モジュール

送液ポンプ、コイルリアクター、カラムリアクター、チップリアクター、反応コイル/カラム/チップなど、フロー合成のための各種モジュールとアクセサリー製品をご紹介します。インラインのUV検出器や光触媒反応モジュールもございます。

それぞれのモジュール(ユニット)を組み合わせて、ご希望の反応に合わせたシステムを自在に組むことができます。マニュアル制御だけでなくソフトウェア制御も可能です。

FlowSyn システムやFlowLab システムの追加モジュールとして、あるいは他社装置と組み合わせてご使用いただくこともできます。

ポンプモジュール   加熱/冷却反応モジュール   光反応モジュール
UV検出器   アクセサリー(反応器など)   ソフトウェア 

◆ ポンプモジュール

シングルチャンネル・ポンプと2チャンネル・ポンプの2タイプがございます。

シングルポンプモジュール

single_pump

フロー合成用に化学耐性を高めたダブルプランジャータイプの1液送液用ポンプユニットです。

  • 最大流速は10 mL/minと50 mL/minの2モデル。高流速の50 mL/min モデルはスケールアップ合成に最適。
  • それぞれ圧力センサー付き(写真上)と圧力センサーなし(写真下)の2タイプ。圧力センサー付きは運転中の圧力をソフトウェアでモニタリング可能。
  • 最大100 barまでの送液能力
  • 試薬/溶媒の流路を切り替えるためのインレットバルブを取り付け可能。反応ボリュームに合わせて必要量の試薬のみをリアクターに投入できます。
  • 複数のポンプとリアクターをタンデムに配置することで多段階フロー反応が可能に。
  • 流速:0.01~10 mL/min、0.1~50 mL/minから選択
  • 圧力センサー:有りと無しから選択

バイナリーポンプモジュール(BPM)

binary_pump_module

2チャンネルのポンプユニットです。

2基のポンプの他に、インレットバルブ、アウトレットバルブ、プライムバルブ、サンプルループインジェクションバルブ、ミキサーブロック、バックプレッシャーレギュレーター(BPR)が1つのユニットに組み込まれています。

  • 本ポンプモジュールを中心にシステムを組み上げることで、FlowSynと同様にフラクションコレクターやオートサンプラー等を組み合わせたシステムを作ることが可能。
  • 最大流速は10 mL/minと50 mL/minの2モデル。高流速の50 mL/min モデルはスケールアップ合成に最適
  • 流速:0.01~10 mL/min、0.1~50 mL/minから選択
  • 流路材質:ステンレス、PTFE、ハステロイから選択

◆ 加熱/冷却反応モジュール

7種類の加熱/冷却反応用リアクターモジュールがございます。

加熱反応専用、冷却反応専用、加熱・冷却反応両用があり、それぞれ対応温度範囲や使用できる反応容器が異なります。

HotCoil(加熱反応用コイルリアクターヒーター)

hotcoil

チューブコイルリアクター用のシンプルな加熱反応専用リアクターモジュールです。

  • Uniqsis社製のすべてのチューブコイルリアクターを使用可能
  • チューブコイルの着け外しは非常にシンプル。サイドノブをまわしてアルミブロックを開閉することで、誰でも簡単に確実な脱着が可能。
  • アルミブロックとコイル治具をしっかりと密着させることで加熱効率UP
  • ガラスカバー付属
  • 温度:室温 ~+260℃ (オプション:~+300℃)

HotColumn(カラムリアクターアタッチメント)

hotcolumn_setup

カラムリアクターを搭載可能にするためのアタッチメント(写真右)。HotCoilに取り付けて使用します(写真左)。

  • 1台のHotCoilに最大6個のカラムホルダーを装着可能
  • インサートを使用することで異なるサイズのカラムを装着可能
  • オプションのPt1000温度センサーでリモート温度測定も可能
  • カラム外径:10㎜、15㎜、20㎜
  • 温度:室温 ~+260℃ (オプション:~+300℃)

HotChip(加熱反応用ガラススタティックミキサー ヒーター)

hotchip

ガラススタティックミキサー(GSM)用の加熱反応専用リアクターモジュールです。

  • 幅56mmのGSMを2枚、あるいは幅140mmのGSMを1枚搭載可能
  • 温度範囲:室温 ~ +225℃

Polar Bear Plus Flow(加熱/冷却反応用コイルリアクターモジュール)

polarbear_plus_flow

チューブコイルを用いて、-40℃までの冷却反応と+150℃までの加熱反応の両方を可能にするコンパクトなリアクターモジュールです。

  • Uniqsis社製のすべてのチューブコイルリアクターを使用可能
  • リアクター上部にホルダーを取り付けることで、ガラススタティックミキサー(GSM)も使用可能
  • プラグ&プレイによる簡単なPC接続
  • ソフトウェア制御だけでなくスタンドアロン制御も可能
  • 外部チラーシステムは不要
  • 温度:-40℃ ~ +150℃

Polar Bear Plus GSM(加熱/冷却反応用ガラススタティックミキサー モジュール)

polar_bear_plus_gsm

ガラススタティックミキサー(GSM)を用いて、冷却反応(-30℃まで)と加熱反応(+150℃まで)の両方を行うことができるリアクターモジュールです。

  • 幅56mmのGSMを2枚、あるいは幅140mmのGSMを1枚搭載可能
  • プラグ&プレイによる簡単なPC接続
  • 外部チラーシステムは不要
  • 温度:-30℃ ~ +150℃

Polar Bear(超低温冷却反応用リアクターモジュール)

polar_bear

パワフルな冷凍システムにより-88℃まで冷却可能なリアクターモジュールです。

極低温での反応や精密な温度制御を必要とするアプリケーションに威力を発揮します。

  • Uniqsis社製のすべてのチューブコイルリアクターを使用可能
  • ガラススタティックミキサー(GSM)も使用可能
  • バキュームジャケットガラスカバーは窒素パージが可能で着氷や着霜を防ぎ視認性を確保できます。
  • ソフトウェア制御だけでなく、FlowSynと直接接続しての制御やスタンドアロン制御も可能です。
  • 外部チラーシステムは不要
  • 温度:-88℃ ~ 室温

ColdCoil(外部チラー接続用 加熱/冷却リアクターユニット)

cold_coil_2

外部チラーを接続して温度調整を行う簡易的で安価なリアクターモジュールです。

加熱反応と冷却反応のどちらにも対応できます。

  • Uniqsis社製のすべてのチューブコイルリアクターを使用可能
  • オプションのアタッチメントを取り付けることでガラススタティックミキサー(GSM)も使用可能
  • 光反応用リアクターと一緒に使用できます。
  • 温度範囲:-70℃ ~+180℃(外部チラー性能による)

◆ 光反応モジュール

光反応をフローケミストリーで行うメリット

光反応は、近年、特に注目されている反応のひとつです。強い酸や塩基、苛烈な試薬を用いずに反応が進行するため、グリーンケミストリーの一種としても捉えられています。光反応では、適切な波長の光により活性の高い状態となった化学物質(励起状態)によって反応が起こります。熱による化学反応とは異なる経路(遷移状態)で反応が起こるため、通常の熱反応では作りにくい複雑な化合物を作ることもできると言われています。

しかし、フラスコを用いたバッチ式の反応では光反応は主流とは言い難いのも事実です。何故でしょうか。理由の一つとして挙げられるのは、バッチ式の光反応ではどうしても高効率で反応を行うことが難しいからです。溶液中を進む光は指数関数的に減衰します。つまり、フラスコ等の厚みのある容器を用いた光反応では、すべての溶液に均一に光を照射することが難しく、そのため、強い光源が必要であったり、長い時間が必要とされます。さらにスケールアップのために大きなバッチを用いると光の透過効率には顕著に影響が出てくるでしょう。

一方、フローケミストリーでは、反応は微小流路内で行われます。十分な透過性を持つ素材の流路を用いれば、より弱い光でも均一に、効果的に反応液に光を照射することができると言えます。そのため、フローケミストリーで行う光反応は、バッチ式と比較してはるかに高効率で、また簡単にスケールアップができる手法であることが分かると思います。

光反応→熱反応の多段階合成の例 (Application Note 32)

Uniqsis社は、下図の反応をPhotoSynとFlowSynを組み合わせることで、連続的に反応を行うことに成功しました。

app_note_32_1
app_note_32_2

アプリケーションノート32をダウンロード

PhotoSyn(大容量・高出力 光反応リアクター)

photosyn

光反応リアクター PhotoSynは、光源ユニットと電源ユニットから構成されています。

光源ユニットの内面には、特定波長のLED光源がびっしりと並べられており、その中に置かれたPFA製コイルリアクターに効率よく光を照射します。

安全性に配慮された構造で、光源の過昇温防止機能を有し、光照射中に光源ユニットを外すと自動消灯します。

PhotoSynは、Polar Bear Plus FlowまたはCold Coilにのせて使用することで、反応温度をコントロールしながら光反応を行います。

photosyn_explained
  • 光源ラインナップ:
    ・Blue:455 nm
    ・UVA/Blue:365 nm+455 nm
    ・Tricolour:455 nm+555 nm+White
    ・Dual Blue:420 nm+455 nm
    ・UVA:365 nm
  • 合計最大出力:700 W
  • コイルリアクター:
    ・PFA 製
    ・2.5ml, 5ml, 10ml, 20ml, 52ml

Borealis(低コスト 光反応リアクター)

borealis

Borealisは、光源ユニットと電源ユニットから構成されています。

Cold Coilにのせて使用し、反応温度の制御は外部チラーにて行います。

Borealis専用のコイルリアクターを用いて、中央の光源よりCold Coilの内側にあるFEPチューブコイルに効率よく光を照射します。

  • 光源ラインナップ
    ・Green:525 nm
    ・Blue:465 nm
    ・ROYAL Blue:440 nm
    ・Purple:425 nm
    ・UV:370 nm
  • 最大入力電力:180 W
  • コイルリアクター:FEP 製(15ml)

◆ UV検出器

Flow UV(フローUVディテクター)

flow_uv

Flow UVは、インラインで用いることのできるフローケミストリー用のUV-Vis検出器です。

キセノンフラッシュランプ光源を採用しており、長寿命でメンテナンスを必要としません。

専用のソフトウェアでは、任意の5波長を選択してフロープラグを監視します。適切な波長を選択することにより、検出器の飽和を避けていつでもどのような濃度でも吸光度を測定します。

耐圧フローセル(<35bar)を使用しているので、流路のいろいろな場所で測定可能で、誰でも簡単にでも反応液のモニターが可能です。

  • 光源:キセノンフラッシュランプ(波長 200~900 nm)
  • オプション光源:タングステンランプ(波長 360~1100 nm)

◆ アクセサリー

コイルリアクター

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チューブコイル式のリアクターです。

それぞれのモデルにより標準付属するコイルは異なりますが、様々な材質あるいは容量のコイルを追加でご購入可能です。

  • 迅速な昇温/降温と正確な温度コントロールを可能にするデザイン
  • 簡単にまき直し可能
  • チューブ材質:PTFE、PFA、ステンレススチール、ハステロイ、銅
  • チューブ外径:1/16"(標準反応用)あるいは1/8"(スケールアップ反応用)
  • 容量選択:2.5~20 mL(外径1/16")あるいは25~60 mL(外径1/8")

カラムリアクター

accesory_column

カラム式のリアクターです。

触媒反応などのヘテロジニアス反応、あるいは生成物の簡易的な精製でお使いいただけます。

カラムは材質とサイズの異なるものを追加でご購入可能です。

  • カラム材質:ガラス、ステンレス
  • カラム外径:10/15/20 mm(ガラス)、3/8" or 1/2"(ステンレス)
  • カラム内径:6.6/10/15 mm(ガラス)、7 or 9 mm(ステンレス)

ガラススタティックミキサー(GSM)

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ホウケイ酸ガラス製のマイクロ反応リアクター(ミキサー)です。

迅速な発熱反応のコントロールに長けています。

  • シンプルなスクリュー接続
  • 材質:ホウケイ酸ガラス
  • 流路内径:1 mm
  • 容量選択:0.27~20 mL

UNIQSIS社 各種リアクターのカタログを見る

バックプレッシャーレギュレーター(BPR)

bpr

化学耐性に優れたバックプレッシャーレギュレーターです。

PolyfluoropolymerとHasteloyから成るため、溶媒耐性に非常に優れ、例えばHClを生成する反応でも使用することができます。

  • 材質:PolyfluoropolymerおよびHasteloy
  • 圧力選択: 5, 10, 20, 30, 50 bar

スタンド

stand

各モジュールをコンパクトに設置するためのスタンドです。安全キャビネット内のスペースを効率的に使用して装置を収めるのに役立ちます。

Largeサイズは、装置を安全キャビネットの作業面から上に離して設置するために使用します。スタンドの下に試薬類を置くスペースを確保しています。

  • Small: 幅31 x 奥行43 x 高さ36 cm
  • Medium:幅31 x 奥行55 x 高さ36 cm
  • Large: 幅50 x 奥行70 x 高さ22 cm

◆ ソフトウェア

FlowControl ソフトウェア

FlowControlを使用することで、FlowSyn、またはバイナリーポンプユニットとモジュラーユニット(HotCoil、Polar Bear Plus Flowやフラクションコレクター)を単一のPCベースのコントロールパネルから制御することが可能になります。

さらにFlowSyn Auto-LFと組み合わせることで最大100条件までの反応条件設定が可能となり、ライブラリ合成や試薬スクリーニングを自動化することができます。

反応間の自動洗浄や運転中のデータログなど、ユーザーが立ち会うことなく全自動での実験が可能です。

また、オプションのUVディテクター Flow UVとの組み合わせにより、Flow UVで取得したUVデータをフラクションコレクターのトリガーとして使用し、必要な部分のサンプルのみを回収することが可能となります。

flowcontrol_1

システム構成設定画面

flowcontrol_2

条件設定画面

flowcontrol_3

リアルタイムデータ画面

セットアップ例

Flow モジュールを組み合わせたフローケミストリー反応システムをセットアップ例をいくつかご紹介します。実施する合成反応に合わせて自由度高く流路を組み替えながら、ご使用いただくことができます。

flow_setup_1

セットアップ例 ❶

flow_setup_2

セットアップ例 ❷

flow_setup_3

セットアップ例 ❸

flow_setup_4

セットアップ例 ❹

flow_setup_5

セットアップ例 ❺